税務

執行役と執行役員(税務編)

 さて、前回の続き。

 執行役と執行役員は法律上の立場がそれぞれ違いますが、税務上は以下のように取り扱われます。

 まず、法人税法は会社法上の役員とは別に法人税法独自の役員である「みなし役員」という規定を設けています。みなし役員は、取締役、監査役などの会社法上の役員のほか「会社の使用人以外の相談役、顧問等で会社の役員と同様に実質的に会社の経営に従事していると認められる人」を含むことから執行役員も実質的に会社の経営に従事している場合には、法人税法上のみなし役員に該当すると考えられます。したがって、執行役員の給与も会社法上の役員と同様に法人税法上の規制を受けることになります。

 現在、法人税法で損金算入が認められる役員給与は、退職給与、ストックオプション等によるものを除き以下の3つに限られています。

 ①定期同額給与…毎月同額の給与
 ②事前確定届出給与…事前に税務署長に届け出た内容に基づき支給する給与
 ③業績連動型給与…業績に連動した給与(有価証券報告書等を提出している場合に限る)

 これらに、該当しない場合には損金算入できないので注意が必要です。

|

リース契約満了時の注意点

前回記事の期限切れ法案の適用時期について、額賀財務相減税項目に限って遡及適用を示唆しているようですが、ホントですか?

さて、4月に入り様々な法律が施行されておりますが、リース会計・税務もその一つです。新基準では原則売買処理に統一されたわけですが、その適用開始は4月1日からであり、まだまだ旧基準の適用を受けるリース取引も多いわけです。

そこで、今回は旧基準のリース契約が満了したときの処理について注意すべき点について触れてみたいと思います。

リース期間が満了した場合の選択肢として①解約②再リース③リース物件の買取りの3パターンが考えられます。実務上は①②が圧倒的に多いのですが、まれに③のパターンが発生するときがあります。③の場合、税務上は契約時にさかのぼって延払条件付販売の処理を行うことになります。そのため、各事業年度のリース料のうち減価償却費や金利相当額などを超える部分の金額は損金不算入になることになりますので注意が必要です。

税務上、何故このような処理になるのかというと、税法は民法第601条を前提にしているからです。民法第601条は賃貸借資産を相手方に譲渡することを前提にしておらず、これに該当しないものは賃貸借契約に該当しないと税法は考えます。したがって、リース契約満了時点でリース資産を買い取ることが契約上規定され、当該契約に従って実際に買取りが行われた場合、賃貸借契約というよりは契約締結時に譲渡予約契約が行われたとみるべきと考えるのです。

もっとも、契約上リース契約満了時点でリース資産を買い取ることが明記されていなければ、実際に買取りが行われていたとしても、単なる中古資産の買取りになりますのでこのような問題は生じないでしょう。

|

つなぎ法案

4月に入り、ガソリン税の暫定税率が大方の予想通り、失効しました。

ガソリン価格を値下げするところや価格据え置きにするところなどガソリンスタンドによって対応は様々です。これで、また暫定税率を復活させるのでしょうか?

ところで、政府の対応で振り回されるのはガソリンだけではありません。

財務省のHPに「適用期限が経過した租税特別措置」という一覧表があるのですが、ここに交際費の損金不算入の規定が含まれているではありませんか!

ということは、現時点(4/4)では、法律上、交際費の損金不算入の規定は存在していないということになります。仮に、今後、租税特別措置法を再成立させるにしても平成20年4月1日から適用することについて問題はないのでしょうか?交際費の損金不算入は納税者不利の規定ですので、不動産譲渡損失の損益通算の問題と同様に、納税者不利の規定を遡及適用するのではないかといった危険性を含んでいます。

この点について税務署関係者に聞いてみたところ…
「租税特別措置法は適用期間中に開始する事業年度中に支出した交際費について損金不算入とすることにしております。あくまで年度単位の取扱ですので遡及適用にはならないのではないかと思います。」とのこと。

それなら、再成立の施行日以後に開始する事業年度から適用させないとおかしいだろpout!と、ツッコミたい気持ちになりましたが、現場にも全く指示がないとのこと…。

現場が一番苦労しますねcatface

|

立退料を受け取った場合の処理

今年は、オリンピックイヤーですが開催地中国ではチベット問題に対する国側の問題で大変なことになっております。各国の要人が中国側の対応を避難し、オリンピックへの参加をボイコットする意見も見られておりますが、できれば、スポーツと政治の話は切り離して考えてもらいたいものです。それにしても、これだけ世界が注目する話題なのに我が国の政府は、なかなかの無関心ぶりですな。同じアジアの国の問題でもあるのでもうちょっと対応を考えてほしいものです。

さてさて、今回は立退料を受け取った場合の税務処理を考えてみようと思います。

借家人が貸主の都合で、借りていた建物を立ち退く際には、通常、立退料を受け取ります。この立退料ですが、おおよそ次の3つの性格を有すると思われます。

①移転に伴う移転費用の移転補償金
②移転に伴い、それまで得ていたはずの収益を補填するための収益補償金
借家権の消滅の対価

このように、ひとくちに立退料と言っても様々ですので税務上の取扱も異なってきます。

①については、移転費用に充当し、移転費用を上回った部分は一時所得になります。
②は、立ち退き前にその場所で営んでいた事業所得や不動産所得などの収入金額として扱われます。
③は、立ち退きまでの期間が5年以内であれば短期譲渡所得、5年超であれば長期譲渡所得として50万円控除の対象となります。いずれも総合譲渡所得になります。

ここで、①と③は課税所得金額の計算をする上で2分の1にされますが、②は2分の1されません。したがって、金額が同じでも立退料の内容によって負担する税額に大きな差が出ることもありますので注意が必要です。

なお、③については借家権が慣行として認められている地域に適用があります。申告前に所轄税務署で自分が申告する地域でそのような慣行があるか確認すると良いでしょう。

|

平成19年分所得税確定申告(続)

世間では、某銀行の総裁選びにすったもんだしてたり、某国では政党の代表選びに大盛り上がりのようですが、この時期の税理士事務所はそんなものは全く関係なく、ひたすら申告書を作成する毎日です。

あと数日のうちに、申告書を作成しなければならないといったプレッシャーと蓄積した疲労で思考能力がかなり低下しておりますが、今回も小ネタをアップしてみましょう。

消費税は、土地の貸付には課税されません。これは土地というものが使用によって劣化する性質のものではなく、消費に対して課税するといった消費税の課税の趣旨に合致しないためです。

このため、駐車場を借りる場合、駐車場設備のない、いわゆる青空駐車場に関しては非課税になります。反対に駐車場設備があるところでは消費税は課税されます。

ところが、タイヤ止めもなく、区画も古びたロープ1本で区分しているような駐車場でも消費税が課税されることがあります。「駐車場設備がないのだから青空駐車場ではないの?」と思われるかもしれません。しかし、このような駐車場でも地面に砂利敷が施されていると立派な設備として判断され、設備の貸付ということで課税の対象となります。なお、砂利敷は構築物として減価償却資産として会計処理されます。

個人事業主の場合、このような形で駐車場を貸し付けているケースが良くあります。うっかりすると課税の対象から除外しがちですが、目に見えづらい設備にも注意すべきです。

|

平成19年分所得税確定申告

所得税の確定申告提出期限も残すところ1週間程となりました。

多くの税理士事務所にとっては、今頃が最もつらい時期となります。それはうちの事務所も例外ではありません。しかし、あえて、ぶろぐを投稿してみました。「真冬にTシャツでかき氷を食べる」または「真夏にこたつで鍋焼きうどんを食べる」といった心境です。

今回は確定申告で気がついた点です。

皆さんうっかり忘れがちなのが、保険金の受取です。保険金はその受取原因は主に①満期または解約によるもの②身体の傷害に起因するもの③死亡によるものに分類されます。

①の満期または解約によるものは一時所得として課税されます。
②の身体の傷害に起因して受け取る保険金は非課税となります。(法9条1項16号、令30条)いわゆる所得補償保険金についても非課税となります(基通9-22)。
 ただし、支払った医療費を補填する目的で支払を受けたものは医療費控除の支払った医療費の金額から控除します。
③の死亡保険金については、原則として相続税法で課税しますので所得税では課税しないことになっています。ただし、保険料負担者と保険受取人が同一人で被保険者が異なる場合に受け取る死亡保険金については一時所得として課税されます。

保険金の受取は、調書が課税当局に提出されますので忘れずに申告してください。

|

不動産譲渡損失の損益通算③

今回の事件の主なポイントは以下の通りと考えられます。

①適用時期を延長するとバブルで塩漬け状態になっていた土地等の一斉売却が予測され、土地市場が 混乱することが予測された。
②改正が平成15年12月中旬の税制改正大綱で発表されたことで、対応可能期間がわずか2週間しか 設けられなかった。結果として、売却の時機が失われ、納税者の財産権が侵害されたおそれがある。
③そもそも、法律として成立されていない税制改正大綱の公表をもって、充分な周知といえるのかどう  か

筆者個人としては、今回の東京地裁よりも福岡地裁の判断のほうが正しいと考えます。なぜなら、税制改正大綱はあくまで、国会審議案であって、今回審議で変更の可能性があるため、大綱の内容をそのまま信用することはできないこと。また、当時、所轄税務署でも改正の資料がそろっておらず、充分な周知があったとは言えないからです。

もし、今回のような遡及適用が認められるのであれば、今後も同様な形で納税者不利の遡及適用が予想され、国民生活に混乱を招くことでしょう。経済社会に必要なこととはいえ、それに備えるための国民の機会を一方的に奪うことには、やはり納得できないものがあります。争いの舞台は高裁へ移りますが、司法による納得のいく判断を行ってもらいたいものです。

|

不動産譲渡損失の損益通算②

福岡地裁の裁判での国側の主張は以下の通りです。

・所得税の納税義務が確定するのはその年の12月31日(今回の場合平成16年12月31日)であり、平成16年4月1日施行は遡及適用に該当しない。
・適用時期を遅らせると損益通算を目的とした土地等の安売りを招く必要があり土地市場に悪影響を及ぼすことが予測された。

これに対して、福岡地裁は「経済生活の安定性や予見可能性が害しない場合には、不利益を及ぼす遡及適用も憲法上許容される」としたうえで「遡及適用にあたるかどうかは、法律施行前の行為に適用されたものかどうかで決まる」として、本件については遡及適用に該当すると判断しました。

ところが、2月15日付けの日経新聞記事によると、東京地裁ではこれと逆の判断を行ったようです。つまり…

・年度の途中で制度が変更になると実務上混乱をきたすので遡及する必要性があった。
税制改正大綱(平成15年12月中旬)によって周知が行われており、納税者側も充分予測可能であった。

(つづく)

|

不動産譲渡損失の損益通算①

先頃、土地や建物の譲渡所得の損益通算を廃止した税制改正の遡及適用について争われていた裁判で、福岡地裁で判決が出ました。

裁判の内容は平成16年3月にマンションを譲渡し、その譲渡損を他の所得と損益通算するようにと更正の請求をしたところ、税務署側が平成16年税制改正を理由として平成16年1月1日以後の譲渡損は損益通算を認めない旨の通知をしたことにあります。

問題は、この平成16年税制改正です。この時の税制改正大綱は平成15年12月中旬に発表され、法律の施行は平成16年4月1日からになっており、納税者が更正の請求を起こした時点では法律が施行されていなかったことになり、いわゆる遡及適用に該当するおそれがあります。

土地建物の譲渡損失の損益通算を認めないことは、納税者にとって不利となる改正であり、これまで納税者不利に該当する税制改正の遡及適用は「国民の財産権を侵害するもの」として憲法違反に当たるとされていました。そのため、この平成16年税制改正は違憲行為に該当するのではないか、といった議論が当時から行われていました。

これを受けての今回の福岡地裁でした。結果は納税者勝訴でした。

(つづく)

|

平成19年分 確定申告

いよいよ来週18日(月)から平成19年分所得税の確定申告の受付が始まります。皆さん、申告書の準備はすみましたか?

今年も2月24日(日)3月2日(日)一部の税務署で、申告書の受付及び相談業務を行うそうです。

今年の当事務所の目標は3月10日(月)までに終了させることにしました。毎年、1日でも早く終わらせることを目標にしています。さて、今年はどうなることやら。およそ1ヶ月間の繁忙期を無事に乗り切っていこうと思います。

|

海外赴任者の源泉徴収②

所得税法では「非居住者に対し、その国内源泉所得に対して課税する(所法7条3項)」としています。

それでは、源泉徴収の対象となる国内源泉所得にはどのようなものは含まれるのでしょうか。源泉徴収の対象となる国内源泉所得については所得税法161条1号から12号までに以下のように列挙されています。

①民法組合契約等に基づく利益の配分
②土地等の譲渡対価

③人的役務の提供事業の対価
④不動産の賃貸料
⑤利子等
⑥配当等
⑦貸付金利子

⑧使用料(ロイヤリティ)等
⑨給与その他人的役務の提供に対する報酬・退職年金等
⑩事業の広告宣伝のための賞金
⑪生命保険契約に基づく年金等
⑫定期積金の給付補填金等
⑬匿名組合契約等に基づく利益の分配

従業員を海外に派遣し、非居住者に該当した場合は上記⑨に該当することになります。したがって、従業員に支払う給与等のうち、国外源泉所得については源泉徴収義務が発生しませんが、国内源泉所得に関しては源泉徴収義務が発生します。

ここで、非居住者に対して支払われる給与が国内か国外かの判定は、原則としてその非居住者の人的役務の提供地が国内か国外かで判定することになります。勤務が国内、国外の双方で行われた場合には、給与等の金額をその計算の基となった期間に応じて按分計算することになります。

(算式)
給与等の金額×(国外の人的役務提供期間÷給与等の金額の計算の基礎となった期間)

なお、国内源泉所得に関しては20%徴収し、支払日の属する月の翌月10日までに納付する必要があります。

|

海外赴任者の源泉徴収①

最近では、中小企業でも海外に従業員を派遣するケースが増えてきました。そこで、海外に従業員を派遣する場合の源泉徴収の取扱についてまとめてみたいと思います。

まず、所得税法では「非居住者に対し、その国内源泉所得に対して課税する(所法7条3項)」としています。

ここで、居住者の定義が問題になります。所得税法では「国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人(所法2条1項3号)」を居住者とし、「居住者以外の個人(所法2条1項5号)」を非居住者と定義しています。はっきり言って、これだけでは海外赴任者が居住者に該当するのか非居住者に該当するのか判断できません。

そこで、所得税法施行令を見てみることにします。所得税法施行令では、「国外に居住することになった個人が次のいずれかに該当する場合にはその者は国内に住所を有しない者と推定される(所令15条1項)」として次の2つをあげています。
①その者が国外において、継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有すること
②その者が外国の国籍等を有し、国内において生計を一にする配偶者その他の親族を有しないこと、その他国内に居住するものと推測するに足りる事実がないこと

したがって、例えば海外赴任者で赴任予定期間が1年以上見込まれる場合には非居住者となります。また、当初1年未満だったものが途中で1年以上に変更された場合には変更があった時点で非居住者の判定を行うこととなります。

|

償却資産とカーナビ

自動車に取り付けるカーナビゲーションシステム。
実は、このカーナビ、①既に購入済の自動車に取り付ける場合と②新たに購入する自動車にオプションで取り付ける場合とでは経理処理の方法が異なってくることをご存じでしょうか。

①の既に購入済の自動車に取り付ける場合には、自動車に対する資本的支出に該当します。しかし、カーナビの取付の場合、明らかな資本的支出には該当しないため、形式的区分基準(金額30万円未満等の要件)を満たすことによって、修繕費として損金経理した場合には一時の損金として処理することが可能です。

これに対して、②の新たに購入する自動車にオプションとして取り付ける場合には、カーナビの金額は自動車の取得価額を構成することになりますので、金額の多少に関わらず、自動車の取得価額に含めて減価償却を行う必要があります。

ちなみに、毎年1月31日までに償却資産税の申告を各市町村に行いますが(市町村によっては提出期限が前後する場合もあります)、カーナビの購入金額は上記①②いずれの場合にも、償却資産税の対象外となりますので申告の必要はありません。

|

電子申告特別控除

平成19年分または平成20年分の所得税の確定申告において、以下の要件を満たした場合には最高5000円の電子申告特別控除を受けることができます(いずれかの年において1回限り)。

「本人の電子署名及び電子証明書を付して所得税の確定申告をe-Taxを利用して行うこと」

ここで、気を付けたいのが「電子署名及び電子証明書」です。現在、税理士に税務代理を依頼して、電子申告を行っている場合には納税者本人の「電子署名及び電子証明書」は省略できることになっておりますが、この電子申告特別控除を受ける場合には「本人の」電子署名及び電子証明書が必要となってきます。

したがって、税務代理を依頼している場合で電子署名及び電子証明書を取得していない場合には、これらの取得期間も含めて申告期限を考える必要があります。平成19年分の所得税確定申告において電子申告控除を検討されている方は、電子証明書の有無及び電子証明書の有効期限も早めに確認しておくと良いでしょう。

また、平成19年分以後の所得税の電子申告では、医療費の領収書や給与所得の源泉徴収票等の書類の添付を省略することができます。

詳しくは「国税庁 e-Taxで確定申告」をご参照ください。

|

平成20年度税制改正大綱

12月13日に自民党税制調査会による「平成20年度税制改正大綱」が発表されました。

主な内容は、減価償却資産の耐用年数の見直しや、事業承継にかかる非上場株式の課税の徴収猶予などとなっております。例年に比べるとやや小振りな改正内容といった印象を受けます。

税制改正大綱は、マスコミ等による注目度が非常に高く、翌日の新聞等にも大きく取り扱われていました。税制改正大綱は、国会での審議を経る前のもので正式な法律としての効力はまだないのですが、毎年、ほぼ、この法案通り国会審議が可決するものですから、社会的な影響力が大きいと言えます。

しかし、今年は参議院で民主党が過半数を占めており、また、民主党も独自の税制改正大綱を12月中に公表するといったウワサもあり、自民党の税制改正大綱通りに国会を通過するかわからない状態です。今後の動きに注目する必要があると思われます。

いずれにしても、以前行われた、不動産譲渡所得の損益通算不可のような実務に混乱をきたすような改正が行われないことを期待したいものです。

|

電子申告

明日(12月7日)に正式発表らしいのですが、フライングで投稿させていただきます。

電子申告をする際に事前に開始届出書をe-Taxなどを利用して提出しますが、平成20年1月より開始届出書をオンラインで提出した場合のみ、利用者識別番号がオンラインで即時発行されるそうです。現在2週間前後かかっていたのを考えると画期的な改善です。

また、このほかにも平成20年1月からe-Taxを利用して申告・申請した事実等について、電子申請等証明書により証明が受けられるようになります。これで、受付印にこだわっていた金融機関の不満も少しは改善されることでしょう。

ますます、利便性が高くなってきてますね、e-Tax。政府の本気度が伺えるというものです。今回の改善はインパクトありそうです。

|

平成19年 年末調整の改正点④

前回で、年末調整ネタは終わりにしようかと思ったのですが、懲りずにまた投稿してみました。

平成19年分より国から地方への財源移譲により所得税が軽減され、住民税が増税されました。このことで住宅ローン控除を所得税から引ききれなくなることが予想されます。住宅ローン控除は本来所得税だけの制度であるため住宅ローン控除の既適用者は住民税の分だけ税負担が増加する可能性があります。

そこで、財源移譲前の税負担とかわらないようにするために、平成19年分以後の所得税から控除しきれなかった住宅ローン控除額を翌年度の住民税から控除できるようになりました。

ただし、この制度は自動的には適用されないため、所得税から控除しきれなかった住宅ローン控除額がある場合には、毎年申告しなければ住民税からは控除されないこととなっていますので要注意です

先日、この「住民税住宅借入金等特別税額控除申告書」の様式が公表され、各市区町村のホームページ上からもダウンロードできるようになってきています。公表されたものを見る限り、税理士等の専門家には容易に作成できますが、一般のサラリーマン等がスラスラと書けるものではないようなものになっております。自分で作成する方は記載要綱をよく読んで記載することをおすすめ致します。(読んでよけい混乱する場合も予想されますが...)

とにかく、平成19年分年末調整において所得税から控除しきれなかった住宅ローン控除額がある場合には住民税の申告をする必要があるか必ず確認してください。

|

平成19年 年末調整の改正点③

またまた年末調整ネタです(たぶん最後です)。

平成18年税制改正により、平成19年1月1日以後に交付する源泉徴収票等が電磁的な方法により交付することが可能となりました。
事業者が電磁的な方法で源泉徴収票等を交付するには、交付を受ける従業員等の承諾を受ける必要があります。

この改正はひと言で言えば、源泉徴収票等がペーパレスにできるということです。
紙媒体ですと経年劣化でヨレヨレになったりしますが、電磁的な方法によるといつでも新品同様な状態で保存ができて便利です。

また、メールに添付すれば遠隔地の従業員にも簡単に送付でき、しかも郵送代も安くできる点において優れていると言えます。
データの保護さえきちんと行えば、利便性は高いので普及するかもしれません。

ちなみに、我が事務所の平成19年分源泉徴収票は紙媒体の予定です。…えっ。

|

平成19年 年末調整の改正点②

既に新聞等で、ご存じかと思いますが、定率減税が廃止され、平成19年分以後の所得税については適用がありません。

これとあわせて、所得税の税率も改正されています。 

従来10%~37%までの4段階の税率構造となっていましたが、平成19年分より5%~40%までの6段階に変更されています。

これによって、課税所得が195万円以下の場合には適用税率が従来10%から5%になり、所得税の税負担が半分になります。もっとも、住民税の税率は従来5%から10%になりので、所得税・住民税を合算すると負担は変わらないのですが…。

でも、定率減税が無くなっているのは、やはり大きいですね。年末調整の結果を報告するのがつらくなりそうです。

|

平成19年 年末調整の改正点①

この時期になると、保険会社各社から保険料控除証明書が送付されてきます。この書類を見ると「年末調整」の時期が近づいてきたのだなと感じるものがあります。つい最近まで、酷暑、猛暑といっていたのに、なんだか不思議な感覚です。

さて、平成19年より損害保険料控除がが変更されます。従来は自己若しくは自己と生計を一にする配偶者その他の親族が有する居住用家屋等を共済又は保険の目的とする損害保険契約等、居住者等の身体の障害に起因して保険金又は共済金が支払われる損害保険契約等の保険料又は掛金を支払った場合に、支払った保険料の一定額を「損害保険料控除」としておりましたが、平成18年度の税制改正により、損害保険料控除が改組され、居住者等の有する居住用家屋・生活用動産を保険又は共済の目的とする損害保険契約等にかかる地震等損害部分の保険料又は掛金に変更されました

また、従来の損害保険料控除では最高額が15,000円でしたが、改正により最高額が50,000円になりました。

それでは、昨年までに長期損害保険契約を締結してしまった場合には、控除が受けられなくても保険料は支払わなくてならないのでしょうか。

この点については、経過措置が設けられており、平成18年12月31日までに締結した「長期損害保険契約等」については、従来の損害保険料控除と同様に金額の控除(最高額15,000円)が適用されます。

なお、この経過措置と地震保険料控除を合わせて受ける場合には、控除額は合算して50,000円までとなります。

保険料控除証明書は、紛失すると再発行に時間がかかりますので、大切に保管しましょう。

|

住宅手当と借上げ社宅の家賃

住宅手当は給与の一部として所得税が課税されます。

では、会社が社宅を借りて支払う家賃はどうなるのでしょうか。

この場合、社宅の賃借人の名義が従業員の場合は住宅手当と同じく給与の一部として課税されます。
これに対して、会社名義で借りている場合には従業員の給与とはならず、福利厚生費等で処理できることになります。ただし、社宅の家賃相当額の2分の1以上を従業員が負担していない場合には、やはり、給与所得として課税されることになります。この場合には家賃相当額から従業員負担額を差し引いた差額が給与として課税されることになります。

社宅を借上げる場合には、まず、賃貸借契約書の名義人に注意し、家賃相当額の従業員負担割合を考慮して行うとよいでしょう。

|

逓増定期保険

現在、逓増定期保険の損金算入について議論がなされており、この秋にも結果が出るようですが、問題は遡及して損金不算入にするかどうかです。

ご存じの通り、参議院選で自民党が大敗した影響で法案審議が与党にとってかなりやりづらい状況になっていますので、遡及して損金不算入はないと思いますが、結果が気になるところです。

自民党税制調査会の津島雄二会長も「(参議院の状況を見て)消費税あげられるわけないよ」といいたくなるのもわかります。

私的には遡及しないことを願ってるのですが…。

|

遺言証書の種類

遺言書には様々な形式がありますが、それぞれメリットデメリットがあります。
今回はそれを簡単にまとめてみました。

(1)自筆遺言証書
  メリット:公証人など扶養で1人でできます。
       費用も発生しません。
  デメリット:専門家の目を通さずに行われると、日付、氏名、        押印などの形式的な不備をチェックできないので        無効になることも多い。
        ワープロ不可、自筆のみ。
        家庭裁判所の検認を受ける必要がある。とくに検        認は未開封の状態で家庭裁判所に提出しなけれ        ばならないので注意が必要。

(2)秘密遺言証書
  メリット:公証人の面前で行われるので、偽造されるおそれ        が少ない。
       密封したまま公証人に持参するので内容は誰にも        わからない。
  デメリット:公証人も中身がみれないので、形式的な不備を        チェックできない。
        証人が2人必要。
        保管は本人なので紛失するおそれもある。

(3)公正遺言証書
  メリット:確定的効力があるので、相続発生時のトラブルを        予防できる。 
       原本は公証人役場で保管される。
       家庭裁判所の検認は不要。
  デメリット:手数料必要。
        商人が2人必要。

このほかにも、生命危機、緊急時のための特別遺言方式というものもあります。
実務では(1)か(3)がほとんどです。
ただ、(3)公正遺言証書は確定的効力があるので相続発生時のトラブルは圧倒的に少ないです。
当事務所では公証人役場での立会が1回で済むように遺言書作成支援を行っています。
お気軽にご相談ください。

|

印紙税

先日ある工事業者の方に、事務所の補修工事をお願いいたしましたところ代金が31,500円(税込)でした。
清算の際に、業者の方が領収書を作成していたのですが私に対してこんな質問「いつも、領収書をきるときに印紙貼って良いのか迷っちゃうんですよね。」

たしかに、税込金額31,500円は微妙だ。印紙税は30,000円を境に貼る貼らないが分かれてくるので、実際どっちだろうと考えました。

まず、税込金額のものは領収書を記載するときに「うち消費税額○○円」と記載することで、税抜で判定できます。したがって、この場合、領収書に内訳を記載することで支払金額は31,500円ですが、30,000円で判定して良いことになります。

しかし、30,000円は印紙税必要なのかどうか、いつも迷います。
というのも、印紙税額の決め方は「○○円超えたら××円」としているくせに、一番安い印紙だけは「○○円以上で××円」となっており、しかも「100万円以下は200円、3万円未満は非課税」などと、ツッコミを入れたくなるほどわかりづらく書いてあるのです。

「超」なのか「以上」なのか、どっちかに統一してくれれば覚えやすいのに…。

もうちょっと、わかりやすくしてくれてもいいんじゃないですか!

ということで「30,000円以上だから200円」でした。

|

不納付加算税

7月10日(火)は源泉所得税の納付期限です。特例納付制度を利用して6ヶ月分まとめて納付する企業もそうでない企業もこの日までに納付が必要です。

源泉所得税は会社が従業員から預かっている所得税です。従業員からの預り金ということで、これをまじめに納付しないと通常の税金より多くペナルティをとられます。

それが不納付加算税です。

不納付加算税は、通常、納付すべき金額の10%(自主的に納付した場合は5%)とられます。20万円が納めるべき金額だとすると22万円納めなければなりません。1日でも納付が遅れるとかかってきます。かなりイタイです。

ただし、次のいずれかに該当する場合は不納付加算税が免除されます。

①会社を開業してはじめて納める源泉所得税で、かつ、法定納付期限から1ヶ月以内に納付した場合
②法定納付期限の直前1年間(正確に言うと、「法定納付期限の属する月の前月の末日から起算して1年間」)に納付の遅延が無く、かつ、法定納付期限から1ヶ月以内に納付した場合

②の場合で納付額が0円で税務署に直接申告するケースがありますが、直前1年間にこの0円の申告が遅延した場合は免除の対象とされません。

源泉所得税そのまま放置しておくと大変なことになりますよ!

納付期限はきちんと確認しましょう。

|

その他のカテゴリー

その他 | 会社法 | 会計 | 社会保険 | 税務 | 経営