会社法

執行役と執行役員(会社法編)

 先日、当ブログでも少し紹介したソフトバンクの優先株ですが、どうやらこの話立ち消えになってしまったようですdespair。人に夢と書いて儚い(はかない)と読みます。ホント早かったな…。

 会社法関係の記事を読んでいると「執行役」「執行役員」と言った言葉がたまに見受けられますが、時々間違えて使用されているケースなど見つけると自然にほほえんでしまいます。

 「執行役」は平成14年の商法改正で創設された委員会設置会社の業務執行機関で、取締役に代わって委員会設置会社の業務執行を担当します。

 これに対して「執行役員」は、代表取締役の任命によって株式会社の業務執行を担当します。通常、取締役は意思決定と業務執行の両方を担当しているため、取締役だけでは効率的な業務執行ができない場合があります。このような場合に業務執行に特化して会社の運営を助けるのが執行役員です。

 執行役は取締役、監査役等と同様に会社法上の役員ですが、執行役員は会社法上の役員ではありません。したがって、執行役員は商業登記の必要がありません。また、執行役員は会社法上の役員でないため会社法に規定する役員の損害賠償責任は負いません。しかし、表見代表取締役に該当する場合には、第三者に対しては損害賠償責任を負うものと考えられています。

 両者の税務上の取扱については、また次回。

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株券の電子化と端株

 さて、また日本経済新聞記事からのトピックになりますが、3月決算法人の株主総会の時期が近づいてきますと、企業側もいろいろと資本政策を発表してきますね。

 今回は10日付の日本経済新聞より。NTTが現在発行している株式を100分割する旨の発表を行ったようです。100分割ということは、現在1株保有している株主が100株保有する株主になることになります。NTTは何故このような分割を行うことにしたのでしょうか。

 これは平成21年1月より実施が予定される「株券の電子化」に伴い端株主の株主利益を救済することを目的としてのものらしいです。端株とは1株に満たない株式のことで、過去の合併や増資によって発生したものがほとんどです(例えば、1株につき1.3株の割合で株主割り当て増資を行った場合、0.3株の端株が発生します)。

 株券の電子化が実施されると、端株は整理株として信託銀行等の株主名簿管理人の特別口座に記載される事が予定されておりますので、株券の電子化実施後に証券会社の証券取引口座に振替を失念しますと株券の効力を失効するおそれがあります

 NTTはこのような株券失効の事態を回避するために、端株を一掃する株式分割を決定したようです。通常、株式分割を行うと単位あたりの株価が下落するのですが、株式分割と同時に最低取引単位を現在の1株から100株に引き上げることで株価下落を予防しているようです。このような手法はJR東日本でもすでに導入を決定しおり、同様の方式により会社法導入による端株の取扱問題は解消されるようです。

 それにしても端株は平成13年10月に導入なので寿命に短い制度でしたね。

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増資と社債

 8日の日経新聞によると、ソフトバンクが無議決権優先株式を発行することを決めたようです。無議決権優先株式とは株主総会における議決権を持たない代わりに配当等において普通株式に優先される株式のことをいいます。会社経営に興味のない個人株主などは、普通株式よりもこちらのほうが好まれるかもしれません。

 ところで、企業が資金調達する方法として、今回のソフトバンクのように増資によるケースと社債を発行するケースがあります。増資と社債では会社の資金調達方法である点で同じ効果がありますが、以下のような相違点があります。

(1)増資
①メリット
 ・基本的に返還の義務がない
 ・会社の業績に応じて配当額を決定できるので資金繰りが流動化できる。
②デメリット
 ・会社にとっては多量に発行すると株価の低下を招き、買収の危険性が高まる。
 ・株主にとっては、会社が倒産した場合にそのままデフォルトになる。

(2)社債
①メリット
 ・社債権者は、議決権がないので会社の経営に影響を与えない
 ・買収の危険性がない。
 ・社債権者にとっては、会社が倒産した場合に残余財産の分配について、一般債権と同等に扱われる。
②デメリット
 ・会社にとっては、返還の必要があり、定期的に利息を支払わなければならない。
 ・負債が増加するので、財務比率に影響を与える。

 今回、ソフトバンクが採用した無議決権優先株式は増資と社債のそれぞれのメリットを合わせたものになっているのが特徴的です。このような株式と社債の接近化は、今後普及するかもしれませんねhappy01

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合同会社

合同会社とは会社法の施行に伴い、新しく創設された持分会社の一形態です。合同会社は持分会社の特性(個性の尊重、閉鎖的経営)を生かしつつも、社員全員が間接有限責任を負担し、定款自治が可能となった点に大きな特徴があります。

持分会社はアメリカのLLCが原型モデルとなっており、あらかじめ定款で定めることによって、出資割合に関係なく剰余金の配当などを行うことが可能です。たとえば、資金はあるが技術を持っていないAが90%、技術はあるが資金をもっていないBが10%それぞれ出資し、共同して合同会社を設立した場合に、定款で定めることによって剰余金の配当割合を50:50にすることも可能です。

また、合同会社は社員の追加、持分の譲渡について社員全員の同意が必要となりますので、株式会社に比べ、より閉鎖的な会社経営を行うことができます。

合同会社が我が国においてどれだけ普及するかは、まだまだ未知数ですが、合同会社を活用することによって、優れた技術やノウハウをもっているものに対する資金的援助が行いやすくなることは確かです。また、株式会社の規定にとらわれずに、定款自治を行いたい場合には、会社設立の選択肢の一つとして、今後、考えることができるでしょう。

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新株予約権

米の投資ファンド、スティール・パートナーズがブルドックソースの買収防衛策の差し止めを東京高裁に求めていた件で、9日に差し止めの申出却下の決定が出ました。
東京高裁はスティールを「乱用的買収者」と指摘したうえで申し出を却下していますが、株主総会で約8割が「反スティール」にまわったという話ですからやむを得ない結果でしょうね。
株式会社の基本は「資本多数決」ですから、約1割の議決権を持つスティールが「株主平等原則」を主張しても約8割に反対されては勝ち目はなかったでしょうね。

それにしても、ブルドックソースは今回の買収防衛費用で多額の出費となり、赤字に転落しそうだということで少し複雑な結果です。
新株予約権の発行による株価希薄化で、株価も下落しそうですし、代償は決して小さくないでしょうね。
買収防衛策は、事前に行えば行うほど効果がありますので、今回の東京高裁の処分で買収防衛策を検討する上場企業が増えそうです。

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